福井大学 フォーミュラ製作プロジェクト

GT-Rのメンテ

2月の走行に向けて、GT-Rのメンテをやっています。
昨日は油脂類フル交換、今日はホイールアライメント調整。

 

今日のアライメントもじっくりやるぞ!と気合を入れていたのですが、測定するとほとんど狂っていなくてすぐに終わってしまいました。
特にキャンバーなんて4輪とも狙った数値にピッタリと、コンマ1度の誤差無く揃っています。

 

左リアのトーインだけ3分程度(目分量ですが)微妙に変化していたので、修正して終了。
多分左リアのトーインは、こないだの鈴鹿でデグナー2の立ち上がりでリアをスライドさせながらアウト側の洗濯板状の縁石上をダダダ...といったからですかね。

あそこは下手に縁石上でスライドを止めずに、縁石をまたいでさらにアウト側のグリーンの部分まで膨らんだライン取りをした方がいいかもしれません(グリーン部分はどれだけミューがあるのか分からないので怖いですが)。

 

 

しかし何も無ければサーキット走ったぐらいじゃアライメントなんてそう狂うものではありませんね。
よく「アライメントなんて街中をちょっと走っただけで変化するよ」なんて話を聞きますが、それは調整の仕方が悪いだけの話で、アライメントで儲けようとする業者の商売文句の一つでしょう(業者は非常に高価なコンピューターアライメントテスターを導入してたりするので、数をこなさないと元が取れないのでしょうけど)。

 

僕はイケヤフォーミュラのアライメントゲージ(画像1枚目のようなもの)に糸を張って使っていますが、「真心」を込めて調整すればかなり精度良く合わせられますよ。

 

ポイントはいくつかあります。

 

@測定時は車高をキッチリ合わせること。
車高によってアライメントが変わるので、調整前はキッチリと4輪の車高を合わせます。もちろん調整場所はなるべく水平で平面が出ている場所で行うこと。もちろんタイヤのエア圧も合わせます。

 

そしてここからが重要ですが、アライメント調整する時にジャッキアップした場合は、ジャッキダウンして車体を地面に降ろして再測定する前に再度車高の確認です(都度毎回行ないます)。
出来の悪いショックアブソーバーの場合は、フリクションが大きくてジャッキダウンしただけでは元の車高に戻らない(数mm〜酷い場合はセンチ単位で高くなる)場合が多いのです。

僕の使ってるASさんの湾岸サスキットPROはジャッキダウンしただけでキッチリ元の車高に戻りますが。。
それ以外にもアーム角度の関係で車高によってキャンバー角やトレッド幅が大きく変化する場合は要注意ですよね。車体を地面に下ろして、サスが沈んでいく時に接地部のトレッド幅が変わっていく...そのためにはタイヤが横滑りしなければなりませんが、滑らないので突っ張ってしまって車高が下がり切らない場合もあります。その場合にはジャッキダウン後にクルマを前後に動かすと戻ってきます(転がすことによりタイヤの横方向のテンションが取れるので)。

それでも下がらない場合は、外を少し走行するか、前進・バック・ブレーキ
を何度か繰り返します。

とにかく車高が狙った数値に4輪ピッタリ揃えばOK。

 

あと、ノーマル車などで乗員が乗っただけで車体が沈み込んで車高が変わるような柔らかいサスのクルマは、アライメント測定時も走行時を考慮したウエイトを乗せて測定するとか、ガソリン量も考慮して調整していくとシビアに合わせることができますよね。

 

 

Aアライメント測定ゲージの取り付けは、トーイン測定時は水平になるホイールナットの穴2箇所を使い、キャンバー測定時には垂直になる穴2箇所を使うようにします。
画像2枚目はトーイン測定時のホイールへのゲージ取り付け場所(2箇所)です。

僕はこの2箇所がなるべく水平になるようにタイヤを転がして向きを整えます。キャンバーの時は逆にピッタリ垂直になるようにします。

 

この位置が悪いと測定誤差が出易くなります。
キャンバーを測定して、その位置のままトーインを測定するなんて言語道断ですね。

アライメントゲージの「気持ち」になれば分かることです。

 

Bピロエンドの向きにも真心を。
ターンバックル式の調整ロッド(アーム)の場合、両端がピロリンクになっていて、片方が逆ネジになって長さが調整できるようになっていますが、僕はこのピロの向きも両端で揃えるようにしています。

真ん中のターンバックル部の回し量(角度)でロッドの長さが決まりますが、最後はマーキングしながらシビアに角度を動かします。
厳密には両端のピロ部に対する角度で決まってくるので、ピロ部の向きがバラバラでは正確な調整が難しいのです。

短くする方向にターンバックルを回したつもりが、何故か長さが変わっていなかったり、思った以上に短くなっていたり。
また、極端に両方のピロエンドの向きが違うと、アームがストロークした時に変な負担がかかることも考えられます。

僕はいつも両端をアームのストローク時の回転軸に対してキッチリ垂直になるようにして組んでいます。ロックナットを締める時にズレたりするので難しいですが、そこは「真心」です。
おかげで、このロッドをどの位回せば、どの位アライメントが変わるか?も正確に出せます。

 

C各部のガタの確認も怠りなく。
せっかく精密に調整しようとしても、ホイールハブにガタがあったり、ピロ部にガタがあるとガタの範囲で振れてしまうので、正確な数値は出ませんし、その範囲で走行中もアライメントが変化し続けます。

しっかり調整した「つもり」なのに、次に測定すると変化しているのはこのガタの影響が出ている可能性も考えられますよね。

 

Dアライメントゲージの取り扱いは丁寧に。
コンマ何度の調整をシビアに行なう測定器ですから、取り扱いも丁寧に行ないます。乱雑に扱って歪んだり傷ついたりすると正確な測定はできません。

また、イケヤのゲージは鉄でできているので、傷付くとそこから錆びてきます。錆びないように防錆処理をすることもポイントですね。

 

E調整後の実走確認も怠りなく。
アライメントゲージで数値上はキッチリと合わせても、実走行するとハンドルセンターがズレていたり、真っ直ぐ走らない場合もあります。

サイドスリップテスターも併用して確認するのも良いですね。
とにかく重要なのは実走行で狙った通りに走らせることですから、実走行のフィードバックを確実に行うことが大切です。

多くの業者はここまでやってくれないですよね。
僕も昔、金払ってやってもらっていた時は店からの帰り道で既に不満が出ていましたから。

 

 

とにかく、全てにおいて「真心」を込めて作業をすることで、かなり正確な調整をすることができます。
正確に調整することは、必ず「結果」に表れます。

 

業者に任せると万単位でお金がかかりますが、そこまで考えてやってくれるところは少ないでしょう。
そこまでやったところで、それを感じ取ってくれる客も少ないでしょうし。

でも、客側もある程度のこだわりがあるからこそアライメント調整を依頼するわけなので、業者側もある程度のこだわりを持って作業をして欲しいものですよね。

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